アステロイドシティの感想・レビュー。起きたいなら眠れとは?

アステロイドシティの映画を観てました。

感想は、ポップでカラフルな色彩とくすりと笑えるユーモアが印象的な映画でした〜。

終わった後も、ターコイズブルーの青空が目に浮かぶような余韻が残ります。

魅力的な登場人物たちが繰り広げるアステロイドシティーを舞台にしたドラマ。

物語は面白いのですが、そのストーリーの構造はかなり複雑でした〜。

ややこしすぎて、私は頭が混乱状態になりましたΣ(゚д゚lll)

この記事は、詳しい感想やレビューについて書いています。

また、映画中に出てくるラストの言葉「目覚めたければ眠れ」についても考察していますので、

気になった方はよかったら読んでみてくださいね。

目次

アステロイドシティの感想・レビュー

感想は、カラフルな色彩とユーモアのセンス溢れる映画でした。

鮮やかなターコイズブルーの空と砂漠の赤土の景色が目に焼き付きます。

CGなのではなく、実際にスペインのチンチョン郊外で撮影されたそうです。

https://twitter.com/asteroidcity_jp/status/1686663133740609536?s=20

インテリアにしたくなるような可愛いセットでした〜。

ジオラマでセットを作って入念に考えられ、設計されたセットだそうで、その情熱に心動かされます。

一方、映画の構造は私にはすごくややこしかったです。

というのは映画の内容が三重構造になっていたんですよね〜。

具体的には・・・。

①砂漠の街であるアステロイドシティを舞台にした話 ②その話を劇作家が演劇にしている様子 ③その劇をテレビ番組で放映している役者の舞台裏の話。

次々と場面が変わるので、観客の私たちは、砂漠のアステロイドシティーの話に入り込んだり、アステロイドシティを演じている役者の様子を見たり・・・。

行ったり来たり。や、ややこしい・・・。

観る側としては、アステロイドシティの話に入り込みそうになったら、役者の舞台裏に連れていかれたり、奇妙な感覚を味わいます。

これは、好きな人にはクセになる面白さだと思います。

個人的にはアステロイドシティーの映像が綺麗だったので大満足。

感想は、カラフルな色彩とユーモアのセンス溢れる映画でした。

起きたいなら眠れとは?

映画のラストに出てくる言葉「起きたいなら眠れ(日本語字幕)」の意味について考察してみますね。

ちなみに映画の字幕は「You can’t wake up if you don’t fall asleep!!」となっていました。

寝なければ目覚めることはできないってどう意味?でしょう。

ここからは私なりの解釈なのですが。

眠りの世界=アステロイドシティー

起きている世界=TV番組のショー(アステロイドシティーを放映している舞台裏)

と捉えることができると思うのです。

そして眠りの世界にも真実(リアリティー)があります。

例えば、人物でいったら、戦場カメラマン。

彼は奥さんを亡くしたという喪失があり、どんな場面でも写真を撮ってしまうという彼のリアリティーがあります。

また、年代でいったら舞台となった1950年代アメリカはまさにソ連と冷静時代にあったわけです。

核実験をしている様子がきのこ雲のポップで夢のような映像で描かれていますが、描かれている内容は核の問題といったリアリティーをはらんでいます。

つまり、虚構の中にも真実があり目覚めて生きるには、夢を自覚して生きること、そんなメッセージにも捉えられます。

これは映画の色彩の使い方にも表れていると思います。

眠りの世界=カラフル(アステロイドシティー)

目覚めた世界=白黒(TV番組のショー)

この対比の効果でよりアステロイドシティーの虚構の世界は鮮やかに現実を帯びて立ち上がります。

ただこの単純さで終わらないのがこの映画の面白いところです。

例えば、アステロイドシティーの物語には登場しない人物が、テレビ番組のショーでは「登場予定だった」なんて言って出演してしているからです。

つまり、何が虚構で、真実はどこにあるのか?

映画の序盤では、「この話(アステロイドシティーでの話)はフィクションです」といったようなことを登場人物が言ってスタートさせることで、あえてこの話が虚構であることを観客に提示しているわけです。

それは、つまり虚構の中、私たちが自覚できない世界にも真実があり、まずは虚構があることを自覚していくこと。

目覚めるには眠ること、そんな意図だと私は解釈しました。

いろんな解釈の可能性を含んだ、ある意味とても興味深い映画でした。

おわりに

感想は、カラフルな色彩とユーモアのセンス溢れる映画でした。

私は話が行ったりきたりするのですが、好きな人にはクセになる面白さだと思います。

ちょっといつもと違ったスパイスのある映画を観たいという方にはいいかもしれません。

私はインテリアにしたいくらい色彩がキュートで、そこにときめいていました。

もう一度どこかでゆっくり観たい映画だなと思いましたよ。

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