『ミシンと金魚』ってどんな本なの?
読んだ人の感想やネットの口コミ、評価・評判も知りたい!
そんなあなたのために、この記事では『ミシンと金魚』についてご紹介します。
実際に読んだ私の感想は、壮絶な人生を疑似体験できる本でした。
理由は認知症を患った主人公の人生がかなり大変なものだからです。
主人公のカケイさんが人生を振り返ることを通して、幸せや生きる意味について問う本になっています。
この本を読んだあなたは、ご自身や家族、祖父母の人生について考えるかもしれません。
口コミや評判・評価もとても良いです。
まとめましたので『ミシンと金魚』が気になっている方はどうぞお役だてくださいね。
『ミシンと金魚』の感想
私がこの本を一言で言いあらわすとするならば、壮絶な人生を疑似体験できる本です。
なぜなら、主人公カケイさんの人生はなかなか体験できないと思うからです。
旦那が出ていき、赤ん坊を便所で生み、身内を亡くし、いろんな困難のなか淡々とミシンを踏むカケイさん。
自分の運命を粛々と受け入れるカケイさんの姿に心動されました。
そして、老いることや幸せとは何か、生きる意味について考えることができました。
この本を通し主人公カケイさんの人生を疑似体験することできます。
私にとって『ミシンと金魚』は、人が生きて死ぬ、それだけで価値がある凄いことだと気付かせてくれた本でした。
『ミシンと金魚』がすごい理由3つ
『ミシンと金魚』がすごい理由は3つあります。
一人語りで全て描かれている
一つ目は主人公カケイさんの一人語りで、全てが描かれた本だからです。
正直私は、会話の少ない物語というのは、読みずらいと思っていました。
会話がないから、リズムが生まれず、話が前に進まない…
でも本書を読んで、その考えが一掃されました。
語りの力、文章のリズム感、力強い物語。
一気に引き込まれました。
あっという間に、読み終えることができ、改めてこの本の凄さを感じましたよ。
一人語りで全て書かれこの小説は、力強く、本当に凄かったです。
主人公の人生から考えさせられる
この本が凄い理由の二つ目は主人公カケイさんの人生から、読者が考えさせられられるという点です。
カケイさんの困難な人生を通し、幸せについて問いている本だからです。
具体的にはネタバレになるので明記しませんが、私だったらカケイさんのような人生はとても耐えられなかったと思います。
自身の壮絶な運命を淡々と受け入るカケイさん。
時にユーモラスに描いているので、読んでいて暗くなることはありませんでした。
けれども、読み終わった後は凄く考えさせられました。
この本が凄いのは、一人の人生を通して、老いて死ぬことが誰もが平等だということ。
どんな人の人生にも意味があるということを考えさせられるからです。
読んだあなたもきっとカケイさんの人生から感じるものがあると思いますよ。
介護の視点が見える
この本がすごい理由の三つ目は介護の視点が見えることです。
カケイさんの介護生活や、介護施設の職員とのやりとりがあるからです。
具体的には、日々できることができなくなっていく様子などが描かれています。
私の祖母も最近、認知症を患い介護の現場でお世話になっているので、読んでいてカケイさんと重ねてしまう部分がありました。
カケイさんが今まで書けていた字ですら、書けなくなる文は、老いることへの様々な想いが見えます。
当然できるとおもってたことが、しらない間にできなくなってる。軽々できるとおもってたことが、できなくなってる。点ポチの横に、水が、たれる。その水は、涙だ。じっさいは鼻水だけれども、きもちで言えば、立派な、涙、だ。
『ミシンと金魚』永井みみ
作者の永井みみさんは、実際に介護現場でケアマネージャーとして働きながらこの本を執筆されたそうです。
介護者の優しい眼差しや、老いることに向き合う姿勢が主人公カケイさんを通して表れていました。
老いた時に、どう介護されたいか。また家族をどう介護したいか。
そんな介護の視点を考えさせられる点がこの本がすごい理由でした。
ネットの口コミや評価・評判を紹介
ネットの口コミや評価・評判についてもご紹介します。
ネットの口こみや評価・評判もとても良いです。本作で第45回すばる文学賞を受賞されました。
作家川上未映子さんをはじめ、選評委員の方々も絶賛の嵐だったようですよ。
まとめ
この本は、壮絶な人生を疑似体験でき、老いることや幸せについて考えさられる本でした。
ネットの口コミや評価・評判もとても良いです。
疑似体験できる理由は、主人公の一人語りが巧みに描かれるいるからだと思います。
私も語る力によって、物語に凄く引き込まれました。
そして読んで良かったと心から思いました。
気になっている方はぜひ本書をお手にとって読んでみてくださいね。